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ふゎふゎホヨモッテリ

いろんな物を作っテリ

108 External League On Non Aether world ch.6

気づけば20日も間が空いてしまいました。



6.収束

死体と思われた女性はゲルトルートと名乗った。
『背徳の髑髏』ゲルトルート。屍霊術によって魂の活性を取り戻した死人、所謂リッチ。
射干玉の黒髪に、端正だがどこか虚ろな相貌。美しい声だが、語り口にはどこかおどおどしたところがあった。

「やっぱりこのショウルームから出られなくなったクチか……いったい何故」
「真面目な顔する前に顔洗ってきてくれる?」
至近距離で轟音の波動と音属性攻撃を共振させる荒業をぶちかました結果、ヒロムは細かく弾けるように千切れとんだガグの臓物をもろに被っていた。その状態で普通に会話に混ざってくるのだから神経を疑う。

ヒロムが水場を探しに出ていき、廃教会に沈黙が訪れた。
……気まずい。
ゲルトルートの仕草には、自分たちに対する脅えがあるように思えた。
リッチゆえの苦悩があるのか、この状況への不安か、不死者の瞳からは何も読み取れない。
相対する彼女はそわそわとこちらに意識を向けながら、明り取りの窓から覗く月を見上げていた。
ショウルーム故か、いつも見るそれとは色も大きさも違うそれを、スピカも仕方なしに見上げた。

……どのくらいそうしていただろうか、廃教会にわらわらと数人の人影がなだれ込んできた。
「他にも冒険者が迷い込んでたみたいだ」
額に矢が突き刺さったヒロムが、後ろに立つ3人の冒険者を指した。

スーベニア、メイローヴェ、ハルキ。
話を聞けば、小さな村を見つけたもののどこぞのアホのせいで(ここでメイローヴェはハルキを睨んだ)、化け物扱いされて追い出されたという。
スーベニアの必死の説得により得られた情報によると、近頃異形の化け物が周囲に蔓延り、その村は完全に孤立状態になってしまったのだという。そうした非常事態ゆえ信頼も得られなかったが、取り敢えずの宿泊地としてこの廃教会を教えてもらったとも。

「小川でも探そうと思ってふらふらしてたらいきなり頭を射抜かれたんスよ」
「ごめん、てっきりゾンビか何かかと……」
済まなそうにスーベニアが頭を掻く。
無理もないが、それでピンピンしているヒロムも人としてどうなのだろう。

ゲルトルートはその異形の一行に何かシンパシーを感じたのか、少し落ち着いた様子を見せた。
スピカは内心胸をなでおろす。

「本題に入っていいかな」とメイローヴェ。
「全員この森から出られなくなったって事でいいんだよね」
そうだ、そうです、と一同。

「そう。多分ここは……イルヴァじゃない」
その一言に場が凍り付いた。


【登場人物名鑑】

『背徳の髑髏』ゲルトルート
リッチピアニスト。杖とパンツを操る物理寄りリッチ。
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