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ふゎふゎホヨモッテリ

いろんな物を作っテリ

090 External League On Non Aether world ch.1

メモ帳のをその場でちょっと書き直して投稿しているのでそれなりに時間がかかります。

あらすじ

この世界はイルヴァと呼ばれている。
ノースティリスにおける『星を喰らう巨人』メシェーラの復活を巡る物語の裏で、「冒険者」と呼ばれる者たちが活躍していたことを知る者は少ない。レシマスの謎を解き、秘法を手にした彼らはそれぞれの旅を続けていた。ある者は修行を続け、ある者は新たな地に旅立ち、またある者は永遠の眠りについた。これは、そうした中の幾人かの冒険者達の物語である。

1.Le Dernier Train De L'espace

……月が高く昇っている。
いつも見る月と違っているように感じるのは、ここが所謂「ショウルーム」だからだろうか。
ショウルームは、隠された時代に生まれた魔法の産物であるとも、神やそれに属する高次の存在の技による物とも言われている。
術者の思う通りに造られた小さな次元で、現在でもムーンゲートを介して行き来できる。趣向の凝らされた世界を散策したり、そこに残る小さな冒険を楽しんだりする冒険者は少なくないが、そもそも不透明な技術であるうえ危険も多いため、好んで徘徊するのは物好きの部類と言えよう。

とにかく、そんな冒険者の一人である『跳ねすぎた癒し手』スーベニアは深い森に立ち尽くしていた。
ここには演奏に耳を傾けてくれる聴衆はいないようだ。商売道具の付け耳としっぽを外す。
振り返って気づく。ムーンゲートをくぐるまで一緒だった仲間が一人もいない……違う場所に転移したのか、それとも。
途端に夜の静寂が不気味に思えてくる。木の葉の擦れる音が、風の音が、神経を苛む。
自宅や故郷の町を遺したショウルームも多いが、時には闘技場のようなものや、悪意のあるものも存在するのだ。ノースティリスに流れ着いたばかりの頃、妖精に教わったことを思い出す。

不運なことに、ここは悪意のあるそれのようだった。
森の中から、何か大きなものがやってくるのを感じ、スーベニアは短弓を構える。
断続的な足音は、何か魔法由来の移動方法を持つという事か。梢の揺れる音からは、相手の巨大さが感じ取れる。その音は、だんだんと、大きく、近く正面からこちらへ恐ろしい速さで来たっ。

……深い闇の中から飛び出してきたそれの異様さに、スーベニアは一瞬我を忘れた。
高さ3mはあろうかというそれは四足の獣のようだが、闇の霧に包まれたかのように判然としない。
近くにいるのに遠くにいるかのようで、直線がガチャガチャと組み合う影のように見えた。
魔法の一種か何かの機械技術か、とにかくこれをどうにかして仲間たちを探しに行かねば。腰を落とし、短剣を逆手に――弓や魔法に頼らず、一撃加えてそのまま横をすり抜け、林道を走り抜ける算段だ。
全身のバネをフル稼働させ、ノーモーションで脇腹(と思われる辺り)に向かって跳ぶ。ちょっとは驚くかと思ったのに、反応がない。ええい、とにかく逃げるぞっ。
牛馬であれば内蔵が詰まっているあたりに斬りつける……ヌルッとした手ごたえ。何だこれは。
走りながら短剣を見ると、青黒い粘液がべったりと付着している。耐酸コーティングしといてよかった、と息をつき、前を向く。
……目の前に、後方に置いてきたはずの影が立ちはだかっている。何故。音もしなかったし、回り込めるような空間はないはず。どうして。もう一度すり抜けを試すが、汚れた短剣はさっきより滑らかに影の表面を滑った。

体勢を崩した瞬間、横腹に強烈な衝撃が走った。どうやら一撃喰らったようだ。ゼヒュッ、と言う音は、肺の空気が全て吐き出された音だ。自分の。意識が朦朧とする。ま、まずいな……。
歪んで真横になった視界に、あの影が映る。近くにいるのか、遠くにいるのか、分からない。己を強いてなんとか意識は保っているが、このままでは、ピンチだ、どうしよう――

瞬間、その頭らしき部分に大穴が開いた。続いて左前脚が吹き飛ぶが、倒れない。何でだろう、とぼんやり思う。その向こうに、大鎌を掲げる影が。
その影が魔法を放っている……とても、とても大きな暗黒の矢だ。目が覚めるほどにマナが震え、その威力を鮮明に伝えてくる。3発目のそれが巨大な影の肩を削り取ると、それは悍ましい唸りを残してどこかに消えた。

魔法を放った影――彼女もノースティリスの冒険者だ――『傷の虚しさ』メイローヴェは小さくため息をついて、ぶっ倒れているスーベニアの隣に座った。
その意図が読み取れなかったので、スーベニアは取り敢えず気絶することにした。


【登場人物名鑑】

『跳ねすぎた癒し手』スーベニア ジューア/ピアニスト/女性
ジューアの楽士。音楽に釣りに探索にと自由に生きている一般的冒険者。

『傷の虚しさ』メイローヴェ カオスシェイプ/神官/女性
4つの頭を持つカオスシェイプ。Lv400越えの強烈な「暗黒の矢」を得意とする。

・巨大な影のモンスター
この時点で分かる人には分かられてしまう。有名だもんね。
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a film iP!2015年12月号(晋遊舎様)掲載
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